子どものほめ方や叱り方を知りたい。今のやり方でいいのか分からないし、正しい方法が知りたいな。
こういった疑問に答える本をみつけたので紹介します。
著者の島村華子さんは、カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、オックスフォード大学で児童発達学の修士・博士課程を修了しています。現在はカナダの大学にて幼児教育の教員養成に関わっている方。つまりバッチバチの幼児教育専門家です。
そんな島村華子さんの著書「モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」の中から個人的に特にグッと来たところをピックアップしてお話ししていきます。
1. ほめるのも叱るのも対象はプロセス
2. NGなほめ方・叱り方
3. 主体性を育てる接し方
ほめるのも叱るのも対象はプロセスにすること
ほめるときも叱るときも共に重要なのは、プロセス(努力・姿勢・やり方)に対して声をかけることです。
理由は2つあります。
1つ目は、挑戦する力が育まれる。
能力ではなくプロセスに声をかけ続けると良い効果があります。それは、たとえ失敗したとしてもいろいろな方法を試すことで成功できるかもしれないと頑張れるようになることです。
2つ目は、やる気アップにつながる。
プロセス中心の声かけは具体的に何がよかったのか、悪かったのかが明確になる効果があります。その結果、ほめられたときはどこが良かったのかが分かります。叱られたときは具体的に何がいけなかったのかが理解できます。子ども自身が大人の反応に対してなぜそうなのか理解ができる様になります。次はこうしてみよう、ああやってみようという創意工夫のきっかけになるんです。
では、プロセス中心の声かけを具体的にみていきましょう。
ほめるときであれば「がんばって最後までやりきったね」「失敗してもあきらめなかったね」「いろんな方法を試したね」などその子の努力・姿勢・やり方に焦点をあてて話します。
叱るときも同様ですが、ここではネガティブな評価なしに具体的にフィードバックを与えることがポイント。たとえば子どもがテストで40点を取ってきた場合に当てはめると、「40点だったんだね。自分の目標には届かなかったみたいだね。次はどういうやり方をしたらもっと学べるようにようになるかな?」というような声かけになります。
「言ってることはわかるんだけど、うまくできるかなぁ」
たしかに言うは易く行うは難しですよね。私自身が普段「すげぇ」とか「完ぺき」「カッコイイ」とか感想を形容詞一発で済ませちゃう派のためよくわかります(-_-;)
ですが、人になにかをしてもらいたいならばまずは自分から!
子どもの行く末をより良くしたいなら、
まず親である私たちが変わらねばなりません。
オマエモナ
私の場合、まずは子どもと会話するところからですから
スタートラインニスラ、タットランヤンケ…
ローマは一日にして成らず。
まずは感想に“何が”をつけるところから始めていきたいと思います。
マズハコミュニケーション、トリナサイヨ・・・
重要なのはプロセス(努力・姿勢・やり方)を中心に声をかけることです。
NGなほめ方・叱り方
NGなほめ方
おざなりほめ
どういうところがどういうふうによかったのか具体性に欠ける。中身のない表面的なほめ方をする。「 すごいね!」「上手!」このようなほめ方をし続けると子どもにとってはほめられること自体が目的となってしまいます。楽しいと思っていたことにも意義を感じなくなり興味を失ってしまいます。
人中心ほめ
性格(優しさ・気遣いなど)・能力( 頭の良さ・足の速さなど)・外見(顔・体形など)といった、表面上の 特徴を中心にほめる。
このようなほめ方をし続けると子どもは「つねに認めてもらいたい、ほめて欲しい」という承認欲求が強くなります。そうなるとほめられなかった場合に不機嫌になったり、不安になったりします。また、周囲からの評価を下げたくなくて、失敗を避けるためにチャレンジすることを躊躇するようになります。
NGな叱り方
罰を与える
体罰、怒鳴るなどの口頭による罰、物を取り上げるなどの物理的な罰、無視するなどの行動による罰。これらの罰を使った方法は、暴力や圧力で問題が解決できるという誤ったメッセージを子どもたちに送っていることになります。また、問題行為と罰の間の関係性が明確にならないので、反省を促しません。子どもとしては次はいかに罰を逃れるかということに意識が集中します。
主体性を育てる接し方
子どもの主体性を育てていくためにはどのように接していけば良いのでしょうか。
本書でおすすめしているのがアクティブ・リスニングという方法です。
これは、子どもに対して「私はあなたのことを認めている」というメッセージを伝えるためのコミュニケーション技法です。
アクティブ・リスニングでは、感情に善し悪しはありません。怒り、恥ずかしさ、嫉妬、悲しさなどどんな感情でも聞き手である親や大人は否定することなく受け止めます。
この結果子ども自身も喜怒哀楽を感じることに対して恥ずかしさや反発、あるいは罪悪感を覚えることがなくなり、自分の気持ちをより受け入れやすくなります。
こうすることで最終的に子どもが自分の力で考え、解決できるようになるのです。
まとめ
1. ほめるのも叱るのも対象はプロセス
⇒プロセス(努力・姿勢・やり方)を中心に声をかけることで、子どもの挑戦する力とやる気を育てましょう。
2. NGなほめ方・叱り方
⇒結果や表面上の特徴をほめる、罰を与えるはNG。
3. 主体性を育てる接し方
⇒アクティブ・リスニング。子どもは自分の持ち物ではありません。自分とは違うひとりの個人です。親の私たちにできることは受け止めてあげること。こちらから指図するのではなく、子ども自らが考えて解決策を見つけられるよう支援してあげましょう。
本書では子どもに対する上手なほめ方・叱り方に関して実際のシーンに落とし込んだ多様な具体例、子どもとつながる7つの習慣など他にも様々なノウハウが載っています。「子どもとより良いコミュニケーションをとりたい」「子どもの主体性を伸ばしたい」という方は実際の書籍をご覧になってみてください。
それでは、また!
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